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これまで と これから

海の向こうからおみやげ持ってきた。

フィオレンティーナVSユヴェントス

 

の試合を、カンポディマルテで観たことがある。
(Campo di Marteはフィレンツェの競技場)

 

サッカー留学で来ていた日本人の男の子が
「行きたい人ぶんまとめてチケット買ってくるよ」
と言ってくれたので、
一度くらい観てみたいよねと
日本人学生5人くらいで 行くことにした。

 

自慢じゃないけど
サッカーのことはその頃から まっっったく何も知らなくて、
だからフィオレンティーナにとって
ユーベとの試合が どれほどデリケートなものか
とかも、当然知らなかった。

 

でもその男の子が
「この試合はもし負けたら、ティフォージたち
(Tifosi ファン、の一般名詞ではあるけど、ほとんど
「サッカーの熱狂的ファン」のことを指す。単数ティフォーゾ)
が暴れだして危険だから、
もし負けたらすぐに全力で走って出口に向かって!
すぐに帰るからね!」
と真剣な顔で申し渡すので、
一体どんなことが起こるのか想像できず
正直びびりながらスタジアムに向かった。

 

いちばん過激なティフォージたちは、
楕円形のスタジアムの、曲線部分に集まるという。

 

日本人グループの男の子たちは、友達もいるからと
その「危険な」曲線部分の席をとったけど、
女の子たちのためには、危ないからと
直線部分の席をとってくれた。

 

はずだった。

 

いえ、確かにチケットの席はその安全地帯のエリアだったんだけど
初めてスタジアムに来た私たちが あまりに勝手がわからず
中途半端に 男の子たちについて行ったりしたもんだから、
いつのまにかガッツリと その過激席のド真ん中に。
(ちなみに試合開始前に各エリアへの階段は閉鎖され、試合後まで開かない)

 

とつぜん毛色の違うのが紛れ込んできたからか、
すぐに おじさん お兄さんたちに囲まれる。

 

「お前たちは誰を応援しに来たんだ?もちろんフィオレンティーナだろうな?」
フォルツァ ヴィオラ!って言ってみろ!」

 

顔つきが怖いので多少引く。

 

誰からともなく何かの歌を歌い始めると、
歌に加わる人たちが 次々とその場で 飛び跳ねはじめた。

 

そして何故か私たちも
「お前たちも跳べ!」
と 一緒にぴょんぴょん飛び跳ねることを強要される。

 

「オ~ フィオーレンティナ~♪」の歌を
ひとしきり(彼らが)歌い終わるまで、ずっとぴょんぴょん。

 

なんか楽しかったので面白がってやってたら、
あちらも笑顔になって

 

「いいか、ビアンコネーリの奴らはクソだ。勝つのは俺らだ。そうだな?!」
と確認されるのも、笑顔だからもう怖くない。

 

「うん、そうだよね!」 とノリよく答えておく。

 

そうすると 機嫌が良くなった彼らはまた、
今度は肩を組んできて、一緒に
「オ~ フィオーレンティナ~♪」
とぴょんぴょんする。

 

試合に臨む準備は出来た。

 

ぶっちゃけ、試合は遠すぎてよく見えなかった。
けど試合なんかより、「試合を観てる人たち」を見るほうが
だんぜん面白かった。

 

選手がまずいプレーをすると、全員(←ほんとに)が一斉に立ち上がり、
「オー!!!」と 抗議の声を挙げる。
片手を 下から前方に振り上げて。
その腕の角度がヨコから見ると、
見事に揃ってたりするので、感心したわー。

 

どうやらプレーのまずさの度合いによって角度も変わるようだった。

 

軽度だと低め。

 

重度だと、抗議の声量も、振り上げられる腕の勢いと角度も高くなる。

 

でもいちばん面白かったのは、味方のゴールが外れたとき。

 

「オー!!!!!」

 

と、抗議とは違う嘆きの声で叫び、
首元をかかえてしゃがみこんだり、
顔や頭を両手で覆って天を仰いだり、
片手を額、片手を胸元に当てて身体をよじったり、
イタリア人の皆さん方は
バリエーション豊富な嘆き方を見せてくれた。

 

時々唐突に始まる応援歌の大合唱、
後方の席から投げられてくる花火(?)(←危なっ!と思ったけど
そこまで威力は大きいものじゃなかった。よかった・・・)
叫ぶ声、怒鳴る声、
音の出るモノもいくつかあったみたいだけど 楽器なのかな?あれ・・・
とにかくまぁ、うるさいうるさい。

 

ちなみに対戦チーム応援者の席も当然ながらあるんだけど、
そこは透明な、5メートルくらいの高さの壁に両側を仕切られていて、
ホールケーキで例えると
8等分に切ったのを 
更に2つか 3つくらいに分けたよーな細さ(=狭さ)だった。

 

その試合は結局、引き分けで終わった。

 

負けたわけじゃないから、焦って帰らなくていいのかな?
と思ったのが甘かった。

 

「ごめん、負けるよりも引き分けがいちばん危険なんだった!
あとちょっとで勝てたのに、っていうのが、奴らがいちばん荒れるってこと、
忘れてた!」

 

うそでしょーっ!

 

日本人仲間全員、全力で出口に向かって走る。

 

チェントロ行きのバスに飛び乗り、競技場を離れてから、
やっと胸をなでおろした。

 

中田がフィオレンティーナに来る ぜんぜん前の話。

 

けっこう面白かったけど、また行きたいと思うほどではなかったので、
最初で最後のサッカー観戦でした。

 


ちなみにね、
もしイタリア旅行に行ったときは、
その町のサッカーチームのシャツを着てたら、
町の人たちのウケが良くなると思うよ。

 

逆に、いくら特定のチームが好きでも、
その町のでないチームのシャツを着て歩いたら・・・・・
邪険に扱われても 文句言えないです。


 
イタリア人の郷土愛には付き合ってあげましょう。

 

私は~を応援してます、はイタリア語で
io tifo per ~ (イオ ティーフォ ペル なになに)

 

私は~のファンです は
sono un tifoso (una tifosa) di ~ 
(ソノ ウン ティフォーゾ or ウナ ティフォーザ ディ ~)

 

フィレンツェではとりあえず
フォルツァヴィオラ!」
って言っておけば大丈夫。

 

Forza, Viola! 
がんばれヴィオラ(=紫=フィオレンティーナのチームカラー)!の意味。