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これまで と これから

海の向こうからおみやげ持ってきた。

S.Valentino サン・ヴァレンティーノの思い出

 

イタリアでも、2月14日はバレンタインデー。
聖人の名前で <サン・ヴァレンティーノの日>。

 

日本では チョコレートと、
女性から男性へ好意を伝える、という特徴をもつイベントの日だけど
イタリアでは
<Il giorno degli Innamorati イルジョルノデッリィンナモラーティ>
<恋する者たちの日> と呼ばれている。

 

つまり、その日の主役は、恋人(カップル)たち ということで、
パートナー同士で、特別なデートをしたり、
逆に家でゆっくり過ごしたり、なにか記念になるようなことをしたり、
お互いに贈り物を贈り合ったりする。

 

パートナーのいない人たち同士で何かするってことは特になく、
そういう人たちにとっては 普通の一日。

 

せいぜい 
「今日はサン・ヴァレンティーノだから、あいつは来れないよ」と
恋人がいる人とはアポをとるのが難しい って程度。

 

でも 付き合いの長い恋人同士やご夫婦だと
「わざわざ何かをするってことは、もうやらない」
というカップルもたくさんいます。

 

私の周りのイタリア人カップルたちは、けっこう
ちょっと良いお店に 仕事のあと 着替えて、おしゃれして
チェーナ(Cena 夕食)に出掛けたり、

 

これは人によって様々だったけど
ちょっとしたものから、お値段の張る豪華なものまで
二人でプレゼントを交換したりしてた。
誕生日以外の、「なにかを贈る良い機会」の日でもあるみたい。

 

イタリアでの、私の想い出のサン・ヴァレンティーノは
ヴェネツィアで過ごした<恋人たちの一日>。

 

お互いに贈りあう ってことで、
「あなたは私に、私はあなたに、ヴェネツィア旅行をプレゼント」
って、ただの割り勘です、はい。

 

でも、イタリアのカップルたちは わざわざそういう説明の仕方を
する人たちがいたんだよね。
「去年のヴァカンツァにイスキアへ行ったんだけど、私の旅費は彼が払って
彼の旅費は私が出したのよ」って。
あるいは
「俺が飛行機代と、あっちでのレンタカー代。
彼女がホテル代と食事代を出したんだ」
とか、友達同士でそういうことを聞いたり、
答えたりする間柄の人たち(幼馴染とか)は 普通に報告し合ってた。

 

お互いのぶんを負担することは 彼らにとって
<お互いに想い合ってる>ことを示すこと になるのかな?

 

経済的に余裕のあるほうが全部出すというカップルたちも、もちろんいたけど。

 

私たちは数日の小旅行で行ったんだけど その年は
2月14日がヴェネツィアのカルネヴァーレの公式開始日の直前で 
丁度タイミングが良かったので。
(カルネヴァーレ=謝肉祭は、キリスト教の復活祭から逆算して
日にちが決められるので、毎年開始日が変わる)

 

ヴェネツィアでは、カルネヴァーレ開始から期間中は、
ホテル代が3倍くらい上がってしまうのだけど(値上率はホテルによって異なる)
公式開始日までは普通の料金で泊まれるので、
日程を組む時の参考にしてくださいね。

 

ヴェネツィアのカーニバルの公式HPで日にちをチェックできます。
http://www.carnevale.venezia.it/en/ (英語版)

 

私はヴェネツィアに 初めて行った時から恋をしてしまったので、
ヴェネツィアには 毎年のように行っていた。

 

カルネヴァーレはもちろん、2年ごとに開かれる
現代アートエキシビションヴェネツィアビエンナーレ>を観に行ったり
イタリア人の女友達に誘われて
リド島で開かれる<ヴェネツィア映画祭>の「会場付近」を(笑)見に行ったり。

 

冬の、カルネヴァーレの時期のヴェネツィアがいちばん好きで
夏の・・・朝はたしかに 爽やかで気持ちの良い散歩ができるけど
正直、夏はヴェネツィア行かなくても良いと思います。(個人的意見★)
人は一年中すごく多いんだけど、夏は特に多いし、
だいいち情緒がないし・・・・・

 

ヴェネツィアという、色味のくすんだ路地裏と 
堂々とした、壮麗な運河沿いのパラッツォ(建物)と
たゆたう水で街が構成されている <ヴェネツィア共和国の残照> には、
蛍光灯のような ただ明るいだけの強い光(←夏のこと)を当てても、
私には その魅力は感じられなかったので・・・・

 

陰影の似合う街 というか、
うっすらとかかる霧も ヴェネツィアには似合うと思うし
パリみたいに、この街にはどちらかというと、曇り空のほうが似合う気がする。

 

ヴェネツィアは、私としては 夕暮れ時がたまらなく魅力的なんだけど、
早朝の空気のなか、まだ人が歩いていない静寂のヴェネツィアも 本当に良いし、

 

そうだ、ちょっと閑話休題・・・・
旅行先で歩くのに、スポーツシューズはたしかに合理的なんだけど
ヴェネツィアを 人の居ない時間帯に歩く機会があるなら
私は敢えて 革靴(ブーツを含む)をお薦めしたいかな。
あの街を 厚く柔らかいゴム底の靴で 早足で歩くのではなくて、
じぶんの踵が鳴らす足音の響きを ひとつひとつ
街の風景と共に味わいながら
自分にとって自然な速度で 歩く。 
歩くことを味わう。
そうすると、ヘンなんだけど 
足音がひとつ響くごとに 街と会話してるような、
街が語ることを 聴かされているような(昔語りなどの話を)
そんな気分になることがあって、
私にはそれが 日本ではあまり経験できない、素敵な体験だったから。

 

夜のヴェネツィアも、運河にゆらゆらと反射する光を足元に見ながら
あたたかな色の お店の明かりに誘われて入ってみたり、
昼間 人が多くて見られなかったショーウィンドウを
美術館の絵みたいに
たっぷりと時間をかけて眺めたり、
いつもよりゆっくりとした速度で 気ままに散歩するのも とても楽しかった。

 

ゴンドラは、あれってもう会社形態になってるみたいで、
そのエリア(同じ付近の場所)なら、誰に聞いても基本的に値段は一緒みたい。
(ゴンドリエーレとおしゃべりして聞いた。彼らは「社員」なんだって 笑)

 

リアルト橋付近だとか、サンマルコ広場付近は 有名どころだから
プラスアルファで 料金が少し上乗せされてる可能性はあるかも知れないけど。

 

おそらくゴンドリエーレの取り分の幅が決められてて、
その中で、彼らが 「少しまけてあげても良いかな」 と思った時だけ
多少のスコント(値引き)を 個人的にしてくれるみたい。

 

普段はゴンドラなんて 高いし 乗らないんだけど
サン・ヴァレンティーノだし 記念に乗っておくか とルカが交渉してくれて
このとき初めてゴンドラに乗った。

 

ヴェネツィアのゴンドラって、かたちも綺麗で 
本当に特徴的な 独特のデザインで、
滑るように 静かに 水の上を動いていく。
色も 昔はとりどりの色彩で飾られていたらしいけど
何世紀かに豪奢禁止令みたいのが出て、黒色に統一されたんだったかな?
却って大正解だと個人的には思います。 
黒いゴンドラかっこいい♪

 

あの 先頭の鍵のようなデザインと、
よく計算された優美な流線形をもつ
細くて すっきりとシンプルな印象を与えるゴンドラと、
街じゅうにある ガラス部分が甘やかなバラ色をして 
アールヌーヴォーというよりは バロック的(=装飾過多)な街燈は、
どちらもヴェネツィアという街に とてもよく似合ってると思う。

 

私たちも ヴェネツィアに着いた日は、ホテルのフロントにお薦めされた
カジュアルな、地元民がお客のトラットリーアへ行ったけど 
バレンタイン当日は レトロな内装の
少し良いリストランテで食事をして(昼食に)、
夜は 軽くバーカロ(居酒屋みたいなところ)で済ませて 散歩をしてから、
早めにホテルへ戻った。
(翌日フィレンツェへ帰る予定だったのと、バーカロに行きたかったので)

 

私がシャワーを浴びている間に ルカは外に出て、
イタリアでは 観光客の多い街なら夕方から現れる花売りの少年から、
サンヴァレンティーノ仕様(だったそうだ)の、赤いバラの花束を買ってきて
プレゼントしてくれた。

 

彼の話はそうだったけど まあ多分、
一服吸いたくて外に出て(*)吸ってたら花売りの少年が通りがかったから
その場で思いついて買ってくれた ってのが真相だと思いますケドね。(笑)
(*イタリアでは、建物屋内の喫煙は禁止)

 

でも旅行先でもそういう気遣いは嬉しいから、もちろん喜んで受け取りました。

 

翌朝目覚めた時、朝食、ここで摂りたい?それとも食堂へ行く?と聞かれて、
夕べもらったバラに見惚れながら 部屋がいいな と答えたら、
すぐにフロントに電話してくれて
ベッドの上で朝食を食べたのも、イタリアらしい思い出。(ベタな)


形のきれいなバラは 香りがないのが残念だけど、
ビロードのような真紅の薔薇は 愛の象徴だとかで、
イタリアでは男性が 女性(恋人や妻)に贈る花の定番。 

 

もしイタリアの女性に花を贈る機会があったら、
赤い薔薇は <熱烈な愛の告白> という意味で受け取られるから、
それを贈る時には ちゃんとその旨をカクゴして贈るよーにして下さい(笑)

 

忙しい日常のなかで、
いかにイタリア人といえども 
時間とお金をかけて 近場でない 遠い街まで小旅行に行くことはまれだし
イタリア人同士のカップルでも、
ヴェネツィアでサン・ヴァレンティーノを過ごす」のは
とびきりロマンティックなことらしく、
その話をすると、誰もが 
「マ、ケ ロマンティコ・・・・!
Ma Che Romantico なんてロマンティックなの・・・・」
と うっとりした表情で褒めて(?)くれた。

 

てワケで
イタリア人(以外でも?)を口説く時には
ヴェネツィアで、サン・ヴァレンティーノを過ごさない?」
という言葉も、ぜひ試してみて♡

 

カルネヴァーレが始まる数日前からもう、仮面をつけて歩いてる人がいるし、
仮装の衣装や、豪奢な昔の貴族のドレスや衣装の人たちもチラホラいるから
カオスすぎる人混み(←ほんとです)は避けたい、という人は
午前中少しだけ居て、敢えて「開始日の午後に引き上げる」日程でどうぞ。

 

恋人との特別な一日をヴェネツィアで過ごし、更に カルネヴァーレも観たいなら
バレンタインとカルネヴァーレの時期がかぶる年を狙って、出かけてください!
(一石二鳥&旅費節約♪ 今年の日程もそうだったみたい)

 

ちなみにフィレンツェからも日帰りできる距離だから、
泊まりは他の都市で、というのも手。
ユーロスターだと、たしか片道2時間30分くらいだったかな。

 

あの幻想的な街の、幻想的なカルネヴァーレは
機会があったら
いちどその場所に身をおいてみることをお薦めします。
とても魅力的な経験だから。

 

そのときはあなたも
仮面(マスケラ Maschera)をつけて。